「ソロモンの」

あー、読者を すごく大事にしてるってのは、
ちょっと 意外。
あぁゆう本を書く人は、そんな面は見せるもんじゃない、
とか、かっこつけるべきだ、とか、
そんなんかと 想ってた。
変に、偉ぶって、売れるんだから、
個々は どうでもいい、とか。
まぁ、これは、彼には 無いだろうとは 想ってたけど。


小説を エンターテイメントの中心にしたい、
とかも、意外だった。
そんなん どうでも いい、とかかと 想ってた。
見た目の 派手さだけの物は 腐るほどあるだろうけど、
正直、彼の世界より 熱く痛い物は、そう多くないと 想う。


北方謙三は、北方作品に出てくる男みたいだな。


万年筆で 書いてんだ。
万年筆は 道具じゃないのね。
時々 換えるのは、
体調に合わせて 食べる物を 変える様な物か。


時代劇物って、あんま好きじゃないんで、
三国志とか 水滸伝は、読もうと 想わなかったけど、
逆に、既存の物を、どう 北方にするかってのは、
面白いな。
あの登場人物が、どんな北方節で 生きるのか。
読んでみるか。
でもなぁ、シリーズ物は キツいなぁ。


直木賞の 選考委員やってんだ。
やっぱり、小説を 押し上げようってのが、あるのね。
やはり、地位や名誉やら 手に入れて、
余裕が 出来た人は、
損得じゃないとこで 生きるべきだな。
いつまでも、そんな次元でやってる輩は、
結局、上の器ではないって事か。


北方謙三の小説のテーマは、いかに 死に様を描くか。
壮絶な死は、壮大な生が あるから。
死を描くとゆうう事は、生を考えるとゆう事。
死を意識しない者は、生を意識していない。


ほんと、男が惚れる男だな。
あと、元々 こっちに近いってのも あるのかも。
ほんとに 素で 登場人物みたいだったら、
もっと かっこよく生きてる、
そうでないから、そうでありたいと 想う。
そうなろうとするから、少しでも近付ける。
理想無き所に、未来無し。
男になろうとするからこそ、男。
牙を無くした男は、男じゃない。
北方謙三は、人当たり 柔らかい人に なったけど、
それは きっと、色んな事を 経てきたから。
そして、体の底に、獣を 飼っている。